Stage04-06

 閃光。閃光に次ぐ閃光。  光の向こうを、黒い影が疾駆する。  二本の脚で確かに地を踏みしめ、左右対に伸びる腕に、鋸のような歪な太刀と、ライフルによく似た何かを携えたその姿は、紛うことなく人の姿。否。禍々しい漆黒の鎧に身を包み、黒い軌跡を襤褸切れのように振り乱すそれは、死神というに等しいだろう。  アクゼリュス。またの名をA1級。…

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Stage04-05

「生きてる……のか?」  衝撃に備えて身を屈め、命の花火の導火線に指をかけていた王が、反射的に瞑った目を開きながら言った最初の言葉だ。  爆音も、鈍い震動もあれど、身体には寸分の傷も入っていない。いや、確かに震動はあったが、爆発の衝撃というにはまだ生温かったか――? 「すいませんね。格納庫の入り口開いてたんで勝手に出撃しま…

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Stage04-04

「3番の壊滅確認。ついで5番7番からの通信途絶」  悲鳴のように響く銃撃音。絶え間ない、草木や岩、自然の城壁を蹂躙する行軍音。  断頭台にかけられた罪人を、情けという名目で甚振る執行人のようにゆっくり、わかるようにわざわざ騒がしくしながら、確かに絶望は近づいてきていた。 「1番2番、6番8番をそれぞれ下げて対応。応答のない…

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Stage04-03

 纏わりつく硝煙の血風。響く怒号と、劈く銃声。  合間を縫うように、不安を誘う静寂が一瞬挟まる。  戦場という場所は、激しくもまた不気味な静けさを持った場所だった。 「後退だ後退! 走れ走れ!」  肩に巨大な機関銃を担ぎ、ボロボロの戦闘服で身を包んだ兵士達が駆け抜ける。  足取りは驚くほど速い。まるで子供が自宅の庭を駆…

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